住まい手の声

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エシカルハウスの家に暮らすお施主様の様子を取材してご紹介します

90年代に建てた住まいをリノベーション。付加断熱&床下エアコンで家じゅう快適な温熱環境に

 

 

冬の寒さに夏の暑さ、結露やカビに悩まされた家

新潟市西区に暮らすKさん夫婦が新潟県内のハウスメーカーに依頼して自宅を新築したのは1997年のこと。それから二十数年が経過した2019年にリノベーションを実施。それからさらに約7年が経った2026年6月に取材に訪れました。
 

 
現在60代のKさん夫婦には二人の息子さんがいますが、どちらも実家を離れているため、現在は夫婦二人で暮らしています。
リノベーション前の住まいの悩みについて尋ねてみました。
「以前は冬寒く夏暑い家でした。結露も酷くて、北側にある脱衣所やお風呂の窓枠はカビが生えていましたね。1階にはLDKの他に和室がありましたが、冬は暖房をしているLDKから出ると寒いのであまり活用することがなく半分は物置のようになっていました。2階の寝室も冬は氷みたいに寒かったです。それから、ホールや廊下が広いのも無駄に感じていたので、その分LDKを広くできたらいいなと思っていました」と奥様。
「あとは、リビングでコタツを置く生活だったので、床に座ったり立ったりするのも大変で…。気が付くと横になっていることもあり、椅子を使う生活にしたいと思っていたんです」と、リノベーションをすることにした経緯を話します。
 
 
依頼する会社は奥様がインターネットで探したそうです。
「はじめに2社に相談したんですが、希望通りの間取りにならないことが分かり、それからまた別の会社を探しました。その中で見つけたのがエシカルハウスさんだったんです。無垢材や塗り壁などの自然素材を使った家づくりや断熱性能にこだわっているところがいいなと思い電話をしてみると、菅原社長と現場監督の桐生さんが家を見に来てくださいました。そこで『既存の柱を取って広いLDKがつくれる』ということでしたのでお願いすることにしました」(奥様)。
 

 

徹底した断熱改修と、間取りの再構築

元々は家の中央に玄関があり、正面に玄関ホールと廊下が、左側に6畳の和室、右手に14畳のLDKがあり、正面奥に浴室や洗面脱衣室などの水回りが配された間取りでした。
 

 
LDKを広く取るために既存の間取りを大きく見直し、新しい玄関は和室があった左手にレイアウト。そこから廊下を介さずに直接LDKに入れるようにし、新しい和室はリビングと一体に使えるようにしています。
 
 
それによって無駄な廊下がなくなり、1階全体を以前よりも広く使えるようになりました。
断熱はエシカルハウスが普段新築で行っているのと同様に壁は付加断熱仕様。
既存の断熱材を活かして外側にさらに105mmの高性能グラスウールを充填し、厚い断熱の壁をつくり出しました。
 

 
また、基礎の底部はコンクリートがなく地面が見えていたため、新たに防湿コンクリートを打ち、その後に基礎の内部を覆うようにウレタンを吹き付けて断熱。エシカルハウスのほとんどの家で採用している床下エアコンが使える仕様にしました。

 
「間取りについては相談をしながら進めていきましたが、断熱の仕様や造作家具、使用する素材などはほとんど菅原さんにお任せをしました」と奥様。
 

杉板とそとん壁が使われたエシカルハウスらしい外観に

外壁は以前は窯業系サイディングで覆われていましたが、リノベーションを機に杉板とそとん壁に変えています。杉板は7年間雨風や日差しにさらされたことで全体的に色が抜け、軒下以外はグレーに経年変化が進んでいました。
 

 
以前はタイルが使われていたポーチの床は豆砂利洗い出しに。杉板との相性がいい上品な仕上げで、雨の日でも滑りにくい点も特長です。
 

 
玄関ドアを開けると1坪程の空間に玄関土間とホールがあり、左手には1畳程のクロークが設けられています。ホールにはフロートデザインの造作下足入れがあり、下部に仕込まれた間接照明が足元を照らしてくれます。
 

 

床下エアコンで家じゅうが心地いい暖かさに

そして、ホールにあるガラス戸を開けると、そこはもうLDK。
 

 
天井を見ると新しく追加された大きめの梁が現しになっています。その手前が以前和室だった場所ですが、リビングとダイニングに生まれ変わりました。
絨毯の上に置かれているのはナガノインテリアの一人掛けのソファ。ゆったりとした肘掛けが付いたハイバックのソファにはオットマンも付いており、ここでくつろぎながら映画や音楽を鑑賞するのがKさん夫婦の楽しみになっているのだそう。
「以前のように床に座らなくなったので動きやすいですし、体が楽になりました」(奥様)。
ソファの向かい側には壁いっぱいに杉の幅はぎ材で造られたTVボードがあり、ご主人こだわりのオーディオ機器が並んでいます。
 

 
「オーディオが好きで、以前は和室で音楽を聞いていましたが、リノベーションを機にリビングで聞けるようにしたいと思い、アンプを入れるスペースの高さを相談しながらTVボードを造って頂きました」とご主人。
 

 
TVボードの下にはラックスマンのプリメインアンプが置かれており、熱がTVボードの天板に伝わりにくいように余白を広めに設けています。
奥にある格子の中には床下エアコンがあり、冬はこのエアコン1台で家じゅうを暖められるようになりました。
 

 
「床下エアコンは火の気もなく、風を感じることもなく、ただ暖かいんです。床暖房とも違う暖かさですね。リノベーション前はLDKから出ると寒かったですが、今はトイレも脱衣所も、家のどこに行っても暖かいです。夏は2階のエアコン1台で冷房を行い、扇風機を組み合わせることで快適に過ごせています」とご主人は満足そうに話します。
 

 
換気はダクトレスの第1種換気を採用しており、換気時の熱損失が抑えられているのもポイントです。
 

 

リビングと連続するくつろぎの和室

奥にある和室はかつてリビングだった場所で、南側の掃き出し窓からたっぷりと光が注ぐ明るい空間です。

 
「和室はストレッチをしたり、お客さんを通す場所として使ったりしています。子どもたちが帰ってくるとよくここでゴロゴロしていますね」(奥様)。
部屋の中央に置かれている座卓はご主人のおじいさんが使っていたものを受け継ぎ、きれいにリフォームをしたものなのだそう。また、壁際に置かれている茶箪笥は大工職人である奥様のおじいさんの弟さんがつくったもので、この家の新築祝いにお父様から贈られたものだといいます。
部屋の奥の左手には仏壇が納められており、中央には布団をしまえる吊り収納が設けられています。
「5月くらいの暖かい季節は地窓を開けると気持ちいい風が入ってきます。冬は日差しが入ると暖かくなりますし、夏は窓の外にヨシズを立てかけて日射熱を遮り涼しく過ごしています」とご主人。
 

 
引き込み式の障子を閉じれば、一層落ち着いた雰囲気の空間に変わります。
 
 

 

キッチンは大容量のカップボードを備えた半個室タイプ

キッチンがあるのは、以前は浴室と洗面脱衣室があった場所で、ダイニングに対してオープン過ぎない個室のようなつくりになっています。
 

 
カップボードは木とステンレス天板を組み合わせたエシカルハウスのオリジナル。天板は調理家電をずらりと並べても余裕がある広さで、下には大容量の引き出し収納が。さらに、上にも吊り収納があり、調理器具や食器、ストック品をたっぷり収納できます。
 

 
「リノベーション前のキッチンは木製の天板でカビが生えたり歪んだりしていましたが、ステンレスになったことでその悩みから解放されました。ステンレスは掃除がしやすく、きれいな状態を保てるのがいいですね。造作のカップボードにはゴミ箱を3つ並べて置けるスペースも造って頂きました」(奥様)。
 

洗面脱衣室は足触りが心地いいココヤシの床材を使用

洗面脱衣室・浴室・トイレ・納戸はキッチンと同じ並びで、家の最も奥に配されています。
キッチンと洗面脱衣室の間には短い廊下があり、左手はトイレ、右手はのれんが掛かった納戸。まっすぐ進むと洗面脱衣室と浴室に至ります。
 

 
洗面脱衣室の床は、サイザル麻やココヤシの繊維が使われたフラットコイヤータイル。自然素材の優しい風合いが特徴で優れた吸湿力を持つ床材です。
 

 
洗面台は造作のカウンターと陶器の洗面ボウルを組み合わせたシンプルながらも温かみある一角になっています。
 

出掛けるよりも家にいることが幸せ

リノベーション前とリノベーション後の住み心地の違いについてKさん夫婦に伺いました。
 

 
「すべてに満足していますが、特に寒い・暑いで悩むことがないところがいいですね。個室にもエアコンを付けていますが、冬は床下エアコン、夏は2階の廊下のエアコンだけを使っています。以前のように結露やカビに悩まされることもありません。扉が少ないので家の中の掃除もしやすいですね。それから、1階につくって頂いた納戸がとても便利で、登山道具などのかさ張るものを収納しています。家の中が快適になったことで、出掛けるよりも家にいるのが幸せだと感じるようになりました」(奥様)。
 

 
「リノベーション前と比べて防音性能が高まったのも良かったことです。ゴミ収集車の音が聞こえなくなりましたし、夜に大きな音量で映画を見ても近所に迷惑をかけることもありません。あとはいい環境で音楽が聴けるようになったことに満足しています」(ご主人)。
 
基本性能が今よりも著しく低かった1990年代に建てた住まいを、性能向上リノベーションによって徹底的に断熱性能を高め、1年を通して家じゅう温度ムラのない快適な住まいに刷新。また、構造計算に基づいた間取りの変更をしたことで、耐震性能を高めながら開放的なリビングを実現できました。
 

 
最近では奥様は絵画を、ご主人は大型バイクをと、それぞれの趣味を楽しんでいるそうです。性能向上リノベーションによって、夫婦二人で暮らす時間がより心地よく豊かなものへと変化していることがうかがえました。
 
K邸
新潟市西区
延床面積 坪
竣工年 1997年
リノベーション年月 2019年8月
設計・施工  エシカルハウス 株式会社菅原建築設計事務所
写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平